この日は北海道と日本海沿岸は激しい暴風雪、
北海道便は全便欠航、東京も朝からとんでもない強風で……
羽田空港であちこちにできている長蛇の列をすりぬけ
「小松発便は現在欠航」という電光掲示板を横目で見つつ、
カウンターでは「天候次第では羽田に引き返しますのでご了承ください」
と言われながらチケットを受け取る。
「私たちは大丈夫! 私たちは行ける! 」
3人は目を合わせてしっかりほほ笑み、しかしね、内心かなり不安。
(お願いだから、飛んで……)
おねえさま、まちこ、私の3人は、去年からずっと働き続けた。
どこかで顔が合えば「がんばろうね。つらい仕事の先には、温泉と蟹が待っているわよ」。
休みなく働くというのは大変精神的によくない。
「蟹が待ってる!」「温泉が待ってる!」と励まし合っても、肩コリ、腰痛は
解消されないのである。
働きすぎよ!私たち!
そしてやっとやっと迎えたこの日なのよ〜!!
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離陸前の機体が、時々グラグラするの。
「こ、これ、なに? 風で揺れてる?!」
南無三!これで離陸するんかいな…
隣でまちこは目をつぶり両手をしっかりと合わせて祈っている。
「お願い!お願い!!
何カ月も前からこの日を待っていたんだから!!
飛んで!!」
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グラグラののち、離陸はしたけど機長のアナウンス、
「現在日本海沿岸は低気圧の影響により暴風雪となっており、この飛行機は状況次第では羽田に引き返すこともありえますので〜」
もういいってばさー! サービスのスープ、2杯飲んだらまた羽田ってことでしょ!!
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しかしその後「本機はあと10分ほどで小松空港に着陸いたします」の
アナウンス。
ということは…?!
そして気が抜けるほどのソフトランディングで、私たちは小松空港に
降り立った。
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あの騒ぎは何だったのじゃ!というほど雪も風もなく、予約したタクシーに乗り40分弱で山中温泉、運転手さんも「午前中はえらい風だったですよ、よかったですね」
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そーよ、私たちなら大丈夫なの!
宿に荷物を預け、長靴を借りてお昼を食べに。
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小雪がちらつき、とってもいい雰囲気。
やっぱ雪降ってないとね〜 蟹の時期は。
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お蕎麦を食しホッカホッカに温まって、温泉街を散歩しながら宿へと向かう。
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こおろぎ楼玄関前。
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2008年2月24(日)・25日(月)
加賀・山中温泉 こおろぎ楼
http://www.koorogirou.jp/index0.html
岩風呂付き特別室 かじか 3人泊
24日 地わもん会席 @27000円(税抜き)
25日 地蟹会席 @41000円(税抜き)
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こおろぎ橋。
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岩風呂の内湯付き。すのこで目隠しされて、外はあまり見えない。
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露天に関して、私には一抹の不安があった。
最近宿の露天の写真が少しずつ変わっていく気配があって、直前の
“じゃらんの”口コミに「露天は橋から見られる」という書き込みがあり、
それに対して「すぐに専務が植え込みを…」というような宿の返事が
書かれていたのである。
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小さい内湯と露天がある風呂と、幾分大きめの内湯のみの風呂が、
時間帯によって男女入れ替わる。
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この時間は露天がある風呂が女湯。
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う〜ん… やっぱり…
ちょっとがっかりよ。
宿のパンフレットには、植え込みはおろかこのゴロゴロした岩さえない、
すっきりとした風呂の写真が載せてあるのにな〜。
3人で溜め息。 まあ、気持ちいいんですけどね。
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入口方向。
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「若いお嬢さんは視線が気になるのかしらね、風景よりも」
「でも陰になっているし、湯気もあがるし、そんなに過剰に意識することも
ないと思うけどね」
「見えるということがわかっているんだから注意すればいいわけで、
隙間から覗かれるとかのほうがよっぽどいやだわよね」
これね〜… うざいの…
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 それはともかく、久しぶりに温泉につかり身も心も解放された私たちは、
その後こたつに寝そべり心地よくまどろんだ。
あ〜 幸せ〜〜!
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外はいい塩梅に雪がいちだんと降りしきり、仲居さんの話によると小松空港は私たちのあとの便から延着、欠航が相次いでいるという。
やっぱ、日頃の行いよね〜。
宿では、遅れて到着しても個別に食事時間を遅らせて、ぎりぎりまで対応しているとのことだった。
お食事目当てでやってきて、飛行機の延着で食べられなかったら悲惨よね!
これは小さい宿だからできることだろう。
蟹の時季、冬の日本海沿岸の宿は毎日天気予報に一喜一憂。
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本日、お部屋で加賀の地わもん会席。
ご主人自ら包丁を握るお宿である。
私は蟹よりこの会席のほうが楽しみなのだ。
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 先付けは、からすみ、つぶ貝、はしりのホタルイカ。
この取り合わせね、冬の締まった充実感と早春の味覚、とってもイケてる。
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お刺身は日本海のイカ、寒ブリ、海老。
養殖でない寒ブリの締まり具合、その歯ごたえ、これぞ越前の
海の恵みとしみじみ思う。
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 日本酒ぬる燗で1合いただく。
たいそう料理が引き立ち、ホント、喜びのあまり顔がくずれちゃう!
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 鱈子の汁の中の真鱈は、鱈という魚がこんなにおいしいものであるのか、
と感動するほどの味で、その身が口に入った瞬間、いままで持っていた
鱈という魚のイメージが変わった。
鱈のもつクセのある味は、じつは他に代えがたい旨みであることがよくわかった。
その鱈の下にある海老芋のほっこりした柔らかさとお味もあいまって、木の芽の
緑から春を待つ心を感じ、美しく、力強く、気品のある見事なお椀であった。
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焼き物はノドグロ。
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と、ここで女将さんが挨拶に見え、卓に置かれたものは手造り、コーヒー風味のブランデー …
え?? いや〜 ノドグロの焼き物の後に、これ飲むの??
「おいしいですね」「コーヒーの香りがする」などと言ってすすってはみるものの、3人ともかなり当惑。
ご主人が作ってる素敵な日本料理の味をそぐような食中酒は、それ以上
手が出ませんでした。
女将さんは高い部屋から回るんだろうからそもそも食前酒かもね。
それならまあ納得。
しかし安い部屋へは、食間ではなくむしろ食後に出していただきたい。
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 「お鍋は丸鍋です」と元気な仲居さんが運んできた。
!!…… 私は思わず目をみはった。
丸鍋(スッポン鍋)は好みにもよるが、時としてなんというか、
味も見た目も下びた感じのものがあるように思う。
スッポンの強靭な生命力、そして凶暴なイメージをそのまま鍋にしてしまうと
品のない鍋になってしまいがちで、さりとてそれを嫌ってできるだけお上品に
すると何を食べているのか分らないような代物となり、会席料理に入れるのは、
なかなか難しい鍋だと思う。
そしてここで丸鍋が出てくる、ということは、この宿の料理に対しての自信の
ほどが伺えた。
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 小さめ、こんがりと焼かれたお餅の入った丸鍋は、濃厚なスープにぷるぷるとした
スッポンのゼラチン質がとろけていき、スッポンの味も生きていて、たいへん
けっこうなお鍋であった。
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 白魚が入った寄せ豆腐。
如月ももうじき終わる。 雪の合間から青空の日々が増えていく。
その温かな日差しのような黄色を箸で割ると、大ぶりの白魚がふんわりと出てくる。
鮮やかな菜の花も目に優しく、日本海にも春が近い。
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 フカヒレ。 自然薯。 銀杏。
山葵の香りがふっと鼻に抜けて、薄味のおだしを引き締める。
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 酢の物。焼いたネギ、下の魚は… たしかコハダだったか…
器も、土地柄すべて山中塗&九谷焼とかだと引いてしまうが、この宿は
そんなこだわりがなく、自由でそして料理とよく合っていて心地よい。
それを思わず褒めると
「器は若女将が自分の趣味でどんどん買ってきます」と仲居さん。
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 スッポン雑炊。
私はフグ鍋とスッポン鍋は自分から食べようとは思わないが、フグ雑炊と
スッポン雑炊は他人を押しのけてでも食べたいの!!
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だけどおなかいっぱいで、1膳いただくのがやっとで…
あ〜 残ったのは冷凍して宅急便で家に送りたい!
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 若女将の手造りらしいデザート。 しばし炬燵で横になっておなかが
落ち着いてからいただいた。
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おいしかったわよ〜
おなかが苦しいわよ〜
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朝ご飯。
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こんがり、大きなハタハタ。
秋田産のまちこ、喜ぶ。
昨日あれほど食べても、朝はおなかがすいているから不思議!
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 「あんなにいい露天なのに、岩や植え込みを作ってしまってとても残念ね。
以前は川の流れや橋がよく見えたでしょうに。
やっぱり若いお嬢さんは、橋からの視線が気になるのかしらね」
と仲居さんに嘆いたら
「いえ、女性はあまり気にされません。
橋から見える、とおっしゃるのは、みんな男の方たちで…」
「ええっー?!」 「なんですってー?!」 「ほんとにーっ?!」
「ほんとです」
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仲居さんが去ったあと、私たち3人はぶんむくれて叫んだ。
「見られるのがいやな男は内湯だけ入ってろー!!」
「ヘンな書き込みするなー!!」
「日本の文化を学べー!!」
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ま…… ったく!!
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 お天気がとても良いので、宿で長靴を借りて川沿いの遊歩道を散歩。
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内湯。
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部屋の岩風呂。
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お湯はぬるめでとても心地よい。
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まだ明るいので、1人でまた散歩。
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本日はメインイベント、地蟹会席。
先付け。 本日も旬とはしりが、あいまって。
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蟹刺し。 究極。 全員無言。
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 お椀は、長芋の射込みと、多分しんじょうだったと思います。
多分というのは、お品書きがないから。
つまりメニューはその日の仕込みによって日々変わる、ということでしょう。
おいしかった記憶は鮮明に残っている。
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喜びのあまり蟹になってしまった熟女たち〜!
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焼きガニ。
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蟹味噌たっぷり〜〜!
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カレイの煮付け。
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本日のお鍋は、日本海のアンコウ鍋。
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日本海で獲れるアンコウは小ぶりらしいが、味噌仕立てのお鍋には
肝もたくさん入っていて、蟹がメインだとかすんでしまうがこれが
なかなかのお味なのです。
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茹で蟹。 越前ガニの証拠の青いタグ付き。
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喉まで蟹でいっぱいの私たちの前に置かれた春の息吹き。
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焼かれた筍の嬉しい香り。
焦げ目がつき、熱い筍にかけられた木の芽味噌の爽やかで柔らかな甘み、
ホタテ貝柱の上のウニの味わい。
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お米は何としても食べたい、しかしおなかが苦しい!
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デザート。 柚子のシャーベット、そのすっきりとした味わいにホッとする。
マンゴーもおなかにするっと入っていった。
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蟹はおいしい。
そして私はもう当分食べなくてよろしくってよ。
本日5年分くらい食べた。
パンパンのおなかを上にして布団に寝そべりながら考える。
蟹ほど料理人の腕の鳴らない食材も珍しいと思う。
蟹そのものがおいしければ、土地の民宿のおばさんだって茹でたり焼いたり
刺身にできるわけで、料理人にとってこんなに料理のしがいのない、
つまらないものはないのではなかろうか。
この宿では、作り手が季節を楽しみ、素材を、料理を作ることを楽しみ、
客に喜んでもらうことを楽しんでいる。
そしておいしい。 そこに私は大きな喜びを感じる。
だからこそむしろ、蟹という素材ではなくて、料理を味わいたい…
しかしこのようなことを考えている自分が、おっそろしく贅沢で、
なんと恵まれていることか… と後ろめたくも思い……
…… やがて眠りの中に落ちていった。
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蟹だけでない。
烏賊、海老、鰤、小肌、鯛、鰈、飯ダコ、蛍烏賊、ツブ貝、カラスミ、鱈、
咽黒、鼈、白魚、鱶鰭、ハタハタ、帆立、雲丹、按康、鰺……
魚だけでもこんなにたくさんの種類。 豊饒な海の幸を味わえた。
加賀の野菜たちもおいしかった。
そんな幸福な思い出を作ってくれた宿であった。
あの料理を思い出すと、またすぐ1人で予約したくなってしまう。
というのは、この宿は1人泊も受け入れてくれるのである。
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1人泊というのは
「旅はいつでも1人が好きなの(キッパリ!)」 から
「今回は1人がいいからほっといてちょーだい」 を経て
「珍しく1人で来ました(あの… ちょっとかまってほしいかも)」 そして
「どーしてどーして1人なんだろう!寂しー!(サメザメ)」 に至るまで
人それぞれかなりのバリエーションがあり、ある意味グループやカップルよりも
宿にとってはきめこまやかな対応が必要になるのである。
もちろん湯治の宿は1人泊は当たり前であり宿も客も慣れているが、1人泊の
受け入れに慣れていない宿は、この辺の見極めが画一的になる。
仲居さんのお話しから察するに、この宿は年齢も職業もさまざまな孤独な
旅人の扱いにたけているという印象をもった。
値段はちょっとお高いが、つまり私にとってたいへん貴重な宿なのである。
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が、しかしね…
ちょっとやばいかもね…
あの露天に入って植木ばさみ片手に…
裸で植え込みをバチバチ刈り込んでいる自分の姿が……
目に浮かぶ。
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まるみの 湯気の向こうに
まるみのとにかく風呂よ
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