2006年9月30日(土)

国民宿舎 さんべ荘

個室休憩 10〜15時 @2100円+昼食代

http://www.komachi-web.com/sanbe/

 

 

熊谷旅館の若女将に車で送ってもらい、10時15分着。

フロントで個室休憩を申し込む。
ここはチェックインが午後4時。
部屋が空いている10時から午後3時まで2100円、それプラス昼食をとってください、とのこと、たいへん安い。
ゆっくり休めるし、源泉掛け流しのお風呂がある。

部屋の準備の間、ロビーで待つ。
土曜なので日帰り入浴の客がすでにちらほら、
フロントでは電話がかかってくると「本日は満室で…」と、断るのに忙しい。

 

鍵を渡され、2階の広々した部屋に。

もっと小さな部屋だと思っていたのでちょっとびっくり。

 

セットされた小さい湯飲みでお茶、お握りしみじみ1個食べ、1階のお風呂へ。

貸しバスタオル210円。

 

内湯・露天は濾過して透明、循環、塩素のにおいたっぷり。

洗い場泡だらけ。

横目で見て素通り。

露天の先に樽風呂が何箇所もあり、こちらは加温・掛け流しと源泉・掛け流し。

車で来て銭湯代わりに利用するのであろう、おばあちゃんと孫など家族連れ多し。

 

加温されたお風呂。温度ちょうどよし。

 

風が爽やか、時々薄日がさし理想的〜 温泉日和!

 

真ん中と右奥が源泉のお風呂。


 

おばさん&おばあちゃんの大群がわらわらと攻めてくるも、
源泉風呂に手を入れて
「あ〜、冷たい!こりゃだめだ〜」とお湯に入らず次々に移動。

独り占め〜〜

体温と同じ。 すごく好き〜〜
 

 

熱いだの、冷たい、ぬるいだのと、かしましく入れ替わり立ち代わり樽風呂攻略していた一団が去ってしまうと、
誰もいない静かな空間になり、いたく満足!

 

一団は妙な会話をしていた…
「こっちで汚れたから内湯に入っていこう」みたいな。

 

個室休憩でとる昼食は、値段にかかわらず何でもいいらしい。食堂で。
天ぷらそば945円。

湯飲み茶碗の大きさや、海老の尻尾の切り方など、なんとなくその地方の共通性があるのはおもしろい。

可もなく不可もなくの味、そばつゆ甘め。

 

3時にチェックアウト。

フロントで若いお兄さんに三瓶温泉街への行き方を尋ねると、前の道をそのまま下って2〜3分だという。
口ごもりながら
「あの… 温泉街っていっても何にもないですよ… すごくさびれてるので…」

 

行ってみたいだけだからさびれててもいいのである。

テクテク歩く。

    日差しが気持ちよい。

 

旅館、ホテルが2〜3軒、あっという間に温泉街のはずれに来てしまった。

 

三瓶温泉街。来た方向。

右は唯一の饅頭屋。

猫の子1匹歩いていないのであった。

上の国民宿舎は大盛況なのに…

 

何も見るものはないので引き返し、本日のお宿へと向かう。

 

見落としそうね…

 

左は川、右の流れは温泉の排水らしい。

予約の電話をかけたとき、だれも出なかった。ええー?!やっているのかしら?

毎日かけた。
出ない…  コールし続けると「auお留守番サービスに接続します」というアナウンスが…

 

思い余ってFAXを送った翌朝、女将さんが出てやっと予約できた。 
不思議な宿である。

チェックインは4時半、と言われて… 「もうちょっと早く行ってもいいでしょうか?」
早くてもいいと言われた。

島根の宿はチェックインが4時、という宿がとても多いので驚く。
ひと仕事終えてから泊まるのだろうか。暗くなっちゃうよ〜

 

こんなに景気よく排水されている。

期待しちゃう〜

 

着いた〜!!

 

2006年9月30日(土)泊

三瓶温泉 湯元旅館

Tel 0854-83-2215
( 旅館の領収証には
Tel & Fax 0854-83-2115 と書いてあります )
 @8700円

 

玄関のガラス戸を開けて声をかけると、伸びたパンチパーマ、ジーパン姿のお兄さんが
「今日お1人で泊まる方?」

2階の部屋に案内してくれる。
留守番の人?
鍵は渡されなかった。

 

小さいけれどテレビもある。

灰皿がない!ので貰いにいく。

 

「灰皿ください」と言うと
「えっ? 用意してない?! なっちゃないな〜!すみません」
と言いながら探してくれるも見当たらない。

「すぐに探して部屋にお届けします」

 

やっぱり極小の湯飲みである。

「すみません、灰皿です。申し訳ありません、至らなくて」と言いながらお兄さんが灰皿を持ってきてくれた。

あ〜 … もしかして… 板さん?

 

今日の宿泊、私1人みたいなんだけど… 専属板さん?!

やっぱりバスタオルはない。

 

トイレは水洗。

 

お風呂は1箇所、1階にある。

階段を下りていくと、ただならぬ轟音が聞こえるのである!

 

脱衣所のドアの前に立つと、まるで滝のような音が…

風呂場のドアを開けて、あっけにとられた!!

毎分2600リットルというお湯の噴出量は、ホントらしい。

 

 

目の前に広がる光景、洗い場が溢れるお湯で風呂化し、大瀑布のような音とともに、排水口に激しく吸い込まれるお湯がとぐろを巻いていたのであった。


 

お湯の温度が高ければ “古遠部状態” であろうが、37度くらいのお湯なので、この時期残念ながら寝そべることはできない。

真夏ならトドOKかもね〜
 

 

高い位置からお湯が落とされてくる。

 

すごい湯量と水圧。

 

圧倒されたあとは、なんだかとってもはしゃぎたくなってしまった!

味は熊谷旅館、さんべ荘と違う味である。

見かけによらず強烈な味ではなく、むしろほんのりと穏やか。金属臭もない。

 

 

 

そして凄まじい轟音の中、贅沢にひたっていると…

 

 

 

突然岩の下から… ボコッボコッ ボコボコッ ボコッ と湯船を震わす激しい振動と共に大きな泡が間欠泉の如く吹き上がり、おそらく下に通っている管にお湯が通されたのであろう、その管をかけ降りてくる振動がビリビリと私の体に伝わり、生きているお湯の気配と威力をまざまざと肌で感じたのであった。
 

 

私はもう、潜ったり泳いだり!

 

大量のお湯が注がれ、私が入って攪拌したことにより湯船の様相が変化し、
ふと透明度が増しているお湯に気づいたとき…

感動が走った…

 

お風呂から出ると、女将さんが部屋に挨拶にみえた。

物腰から、何か別のお仕事をお持ちのようにお見受けした。

夕食は食堂で6時から。

 

 

あ〜っ! また栗!

 

お刺身はハマチとサーモン。

 

優しい味の酢の物。青い柚子の香り。

 

豚肉と野菜の鍋。

野菜の甘みがとてもおいしい。

 

煮物にも栗が〜! 

すごく好きなので嬉しい。

ここで採れた栗と野菜だという。

 

熱々揚げたて天ぷら。

専属板さん&女将さんのお給仕、というゴージャスな夕食。

 

大田市が力を入れている石見銀山の蔵元の日本酒。

見るからにとろりと。キューッとうま口。
骨太、おいしい。

 

お吸い物とご飯。

 

デザート。

お尻の青い柿… 

  なんてそそられるいでたち〜!

 

そう、こんな天からの珠玉の贈り物をいただくことが、都会育ちの私の夢!

 

チェックアウトは9時半とのことだったが、翌朝は女将さんが大田市まで車で送ってくださることに。

10時半出発で時間のゆとりができたので、朝の散歩。

 

宿の前の一本道の先は、源泉の採り込み口があって行き止まりだという。

 

 


 

瀑布のただなかに立って、しばし名残を惜しんだ。

 

ドアを開けるたびに、驚嘆し感動するお風呂であった…

 


 

女将さんはたぶん60代、兼業でなんと建設業もされているのである。
「息子にまかせたいんだけど、まだまだで…」

宿の予約が入ったときに、女将さん業に専念するのである。

 

宿で出す野菜やお米も自作とのことで、2足のわらじどころか3足のわらじである。

どおりで電話に出られないのであった。

まったく働く女の鑑である。

 

下の三瓶温泉の旅館・ホテルはここからお湯を引いているが、濾過して透明にしているのだそうだ。

 

さんべ荘でのおばあちゃんたちの
「汚れたから…」
という会話が脳裏をかすめた。

バスタオルなし、もそのせいか…

 

軽自動車の助手席に乗り込む。

女将さんは巧みな運転をなさる。

途中「定めの松」の写真を。

なにかいわれがあるのだろうが、来る前に調べる意欲さえなく内心ちょっと赤面。

隣り合って座っているせいか親密な時間が流れ、女将さんは東京にいる娘さんの話、私も身の上話を少々。

 

こうしてお話しすることも、なにがし縁あってのことであろう。

大田市駅で、女将さんの「またいつかお目にかかれますよう…」との言葉に深くお辞儀を返し、車を降りた。

 

駅に向かって歩き出した私は、背中に視線を感じた。


立ち止まり振り返り、もう一度別れを惜しみたい気持ちを抑えて…
振り返らずそのまま真っ直ぐに駅を目指した。

 

 

 

 

人生には…

 

 

そんな一期一会の、忘れがたい出会いがたくさんある。