福島・土湯温泉 辰巳屋山荘 里の湯

2006年 3月18日(土)泊

 

 

 

 

番頭さんからメールが来た。
「若女将が君のアドレス教えてくれって言ってるんだけど、教えていいかな?」

もちろん、もちろん!OKよ〜!
私は若い人と付き合うのはとっても楽しい。

でも親と同い年のおばさんと付き合っても…
若女将はつまらないんじゃないかしら…

若女将からメールが来た。
私のようなおばさんでもお付き合いくださるという。
嬉しくなって何往復かやり取りののち
「まるみさんの行きたいお宿の候補は?」

送った宿のURLのひとつに、私のブックマークの
“何が何でもこの風呂!” というフォルダー に入れてある
<辰巳屋山荘 里の湯>があった。

「ここは新緑のときに2泊したいんですよ」という私のメールに「まるみさん、ここが気に入ってしまいました!1泊じゃだめですか?」

宿はノリで決めるようなものである。新緑のときに6万円払って行けるかどうかなんてわからない。
それにいつ地震で潰れて死ぬかもしれないのだ。

「行きましょ〜!!」

待ち合わせは上野駅。
お母さんによく似たキュートな若女将、初対面でもすぐに分かった。
 

 

というわけで、今回は若女将が張り切ってレポートしてくれてます。

お宿の詳細は若女将のレポートをじっくりご覧くださいね〜。

 

私は風呂、風呂〜、川のそばのあの八角形の風呂〜〜〜!!

 

2箇所がセットになった露天40分、内湯30分、家族風呂30分、すべて時間制限・時間指定。

あとは部屋の風呂のみ。
行く前からストレスになる。なのでこれは2泊しないとだめだと思っていた。

女将さんだったら「私そんなとこ行かない! 好きなときに露天に入れないなんて絶対イヤ!!」
と叫びそうな宿である。

私は割り切るのが早いので、さっさとあきらめてその時間を目いっぱい満喫するぞモードにチェンジ。


 

「何が何でも入りたいお風呂」などと若女将に言っておきながらも、一抹の不安があった…

HPや雑誌の写真などは、カメラマンが脚立に登ったり望遠で撮ったり、はてはデジタル処理でいかようにもなる。
いろいろな掲示板によくある口コミだって信用できない。

だからこそ番頭さんが「自分たちで行ってみた率直な感想をのせよう」ということでこのサイトを作ったのである。
 

 

なんじゃこりゃー!
HPとぜんぜん違うじゃーん!
だってありえるのである。

来てみてがっかりして、若女将に
「まるみさん、がっかりしないでください。私気にしていませんよ。次こそいいお宿に行きましょうね!」
と慰められ、しょぼんと帰ってくる自分の姿を想像すると…

   ううっ… 

でもそんな懸念はすべて吹っ飛んでしまった…

なんて素敵なお風呂なんだ〜

若女将ともども大喜びしてしまいました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

露天の時間は22時までとのことだったが、宿が配慮してくれたらしく22時20分に再度入れることになった。

嬉しいことこのうえなし。

あの風呂1回では、フラストレーション!

 

 

 

敷石のしびれるような冷たさの上を素足で歩いて入る夜の露天は、雪解けで水量が増した激しい川音と、湯口から落ちる細いお湯の音が響く。

若女将と温かいお湯につかり体を伸ばし深く息を吸うと、幸せな気分にみちみちて…

そしてその瞬間にもう馴染みになってしまった感情… 
何か申し訳ないような、後ろめたさ、やましさに近いようなものが突き上げてくる。
夜の闇はそんな思いを助長する。

「ここに、こんなに幸せにいていいのだろうか… 苦悩の片鱗もなく… 」

眠りに落ちる瞬間、再び目を開ける朝が来ないでほしいと願い、涙は尽きるものではないことを知り、絶望感で胸がキリキリと痛み、他人の笑い声を憎悪する… もう私を通過していった感情とは無縁
で… 

苦痛にさいなまれながら今を生きている人たちがいることを感じつつ…


 

私は自分で稼ぎ、その金でここに来て楽しんでいるだけ。
それがなぜいけないの? 
やましさなんか感じるのはおかしい…

理屈で否定しても否定しても溢れ出てくるものは制御できずに、やがて疲れて否定することを放棄する。

これが私なのだ、と…
ばかみたいないわれない焦燥感を抱えてここに、このお湯に入っているのが私なのだ、と。

そんな沈黙の長い時間、傍らで無言の時を共有してくれる若女将であることが、私にはたいへん嬉しかった。
 

 

 

 

 

 

 

 

                                     

 

 

 

 

冬枯れの山に明るい日差しが溢れる。

いきいきとした春の気配を全身に感じながら私は、聡明でチャーミングな若い友人と出逢えたことを、番頭&女将さんに深く感謝した。

 

さあ、若女将!

次はどこに行きましょうね?!

でもって…

「まるみは風呂、風呂〜 で満足だろうけど、食事はどうだったんだよー いったい!
これじゃあ参考にならないじゃないかー! 3万円の宿に行こうかどうしようかって悩んでんのにさ!」

ですよね〜〜 ごもっともです。

夫婦で1泊交通費込み10万円。
そんなのハシタ金よ、どうってことないでしょ!という方も大勢いらっしゃると思いますが…
大金です。私にとっては。
そして私と同じ思いの方も、少なくはないでしょう。

いつも泊まる1泊1万2800円の宿を3回くらいあきらめ、家計をやりくりして、奮発してあの宿に泊まろう…
夫の退職記念、妻の病気の全快祝い、二人の結婚記念日…

お風呂は大事です。温泉旅館なんだから。
そしてそれ以上にお食事は大事です。温泉旅館なんですもの!

ではでは、いまだかつてないことをいたしましょう。
 

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