草津温泉 ペンション リシュモン

2006年2月5日(日) 1人泊 @10000円(税抜き)

http://www3.ocn.ne.jp/%7Erichemon/index.html

 

 

「へんなもん、脱がせろ…」

「 おなかの傷を舐めるからダメ!
 シルクだよシルク!
 帰るまで着てなさい! 」

小さな傷なのに、舐めまくるからちっとも良くならない。

カラーを着ければその辺中の物をなぎ倒していくし…

伸縮性のあるスパッツをちょん切って、出かける前の夜中に作った絶対脱げない胴着を着せて、いざ出発!

 

「わたの湯」…

詩のような響きである。
真綿にくるまれるようなお湯なんだそうな。

「わたの湯」を引き湯しているペンションは何軒かある。
湯畑の脇から出ている源泉である。

入りた〜い… どんなお湯なんだろう…
そしてしばらくは川魚&山菜から遠ざかっていたい私。
ここはお食事が手作り洋食らしい。
しかし!全館禁煙…

「わたの湯」… ううむ禁煙… 入りたい! うーん、禁煙…
嗜好が一方的に禁じられるのは、気分的によくないのよね〜

 

 

長野新幹線は去年の12月10日から全車両禁煙になった。

新幹線禁煙、バスも禁煙、宿もほぼ禁煙…

昨今の禁煙ブーム、健康志向、クリーン志向の背後に透ける<エセ>の影、
日本の捕鯨に対する欧米のバッシングの如く、これって差別でもしかしてイジメ?

 

しかし!「わたの湯」の誘惑に負けた私は、ついに宿に電話してしまった。
ご主人とおぼしき声で、
「すみません、お一人様ですと、高くなってしまうんですが。ええっと、に…」

2倍? それはぼりすぎ!

「2000円増しで… 1万円になってしまいますが」
ぜーんぜんいいじゃん!
「喫煙ルームがあるんですね?」
「あ、タバコお吸いになるんですか? ございますよ」

神様〜 願わくば廊下のはずれの薄ら寒い喫煙ルームではありませんよーに。

パンパンッと。

 

 

出がけにじったんばったんの猫の押さえ込み、草津到着後、知人に頼まれた「草津温泉マン入りミルクキャラメル」5個やら道中餅の買出しやらでおなかがすいてしまった。

すっごく寒いし。

そこで万年屋で舞茸うどん。

味? 舞茸命!の人にはいいかも。


 
立春が過ぎたとはいえ、この冬一番の寒波のあと、刺すような冷たい風、抜けるような青空。

押し寄せる湯気、すべて覆いつくして生き物のように流れていく。

しばし見入る。

そして湯畑下の氷の上で、
  つるりん!
          あ!

荷物とお土産で両手がふさがっていて、久方ぶりの尻餅… 

いった〜〜い!

立ち上がって足の確認。

まあ… 痛いけど歩けるか…

本日の湯畑

 

 

私は歩くのが好きである。

初めての道を歩くのは楽しい。

タクシーに乗らずに歩いていくことにした。

緩やかな坂を登る。

「大滝の湯」は、日曜なので人であふれている。

零下5度の空気と日差しが気持ちよい。

しかし、ひきずる左足はやや痛い。

今日は、晩年は歩くことができなかった私のパートナーの命日なのである。

「そんな思いして、よく歩くな〜」
「なに言ってるの〜 あなたの分まで歩いてあげてるんじゃない」

…<私たち>は思わず笑ってしまった…

 

国道に出て、ちょっと冷静に考えた。

ここからおそらく丘のほうに登っていくのだ。

道はもう除雪されていない。

足はさっきより痛くなっている。

タクシーを呼んだほうがいいかもしれない。

宿に電話して道の状態を尋ねたらご主人が、
「そこで待っていてください。分かりにくい雪道です。車でお迎えに行きます」

 

あそこに見えるのは… 

は〜 あれがつつじ亭か〜

 

 

 

5分もしないうちに迎えにきてくれた。

歩けなくはないけれど、別荘地、歩くのは大変だったろう。

よかった〜

斜面の林から見える山々の風景が美しい。

夏はとても涼しいのだそうだ。

 

到着。

 

玄関前で大きなお土産袋を提げたセルフポートレート。

 

かわいい玄関。

こんなふうにスリッパが置かれていると、知り合いの家に来たような感じである。

 

ちっちゃなフロント。

記帳して、歯ブラシと鍵を渡してくれる。

バスタオルと浴衣は有料とのこと。

私は持参してきた。

 

隣のダイニング。

 

暖炉があって吹き抜けになっている。

 

本日、宿泊は私だけだそうで…

「2階の、暖かいお部屋にしてあります」

 

洗面。

吹き抜けに面している。

 

トイレはシャワートイレ。

とても綺麗。

 

本日のお部屋。

テレビ、補助暖房のヒーターがあって、すごく暖か。

 

窓は2重サッシ。

 

窓の外。

つらら。

ときどき落ちる音がする。

 

ベッドは羽根布団。

さてベッドに腰掛けて、じっくり足の点検。

階段を上がるとき、ちょっとつらい痛みになっていた。

左足の甲に打撲、軽い捻挫。

動かしてみる。

ひどくはない。

しかし明日足首が腫れて、足がショートブーツに入らなくなったら…

それはちょっと困るかも…

 

ベッドに寝そべって対策を考える。

方法は… 

まず冷やしたのち(表に雪は腐るほどある)温泉で温める。

あるいは温泉で温めたのち、雪で冷やす。

あるいは徹底的に温泉で足湯をする。

のどれかだな…

 

「わたの湯」に賭けてみることにした。

お風呂場への通路。

突き当たり手前左に2箇所のお風呂。

突き当たりの右に自販機と喫煙ルームが。

 

独立して、ドアのある喫煙ルーム。

ドアを開けると自動的に灯りと換気扇と暖房が作動。

 

換気扇の音がするけど、暖かく、ソファも座りやすく、問題ありませーん。

だけどこの足で2階からここまで来るのが大変。

しかし、煙出しと足湯をワンセットにして、今回湯治!

 

こざっぱりとした脱衣所。

2箇所のお風呂は貸切で札を下げて使用。

でも本日は2箇所とも私専用。

 

白い湯気が充満。

窓を少し開ける。

管を下まで通してある。 かなりの量のお湯がかけ流されてあふれている…

 

 

シャワーは夜10時まで、とのことであった。

私は使わないけど。

 

お湯は透明で、そして緑色がかった細かいグレーの湯の花が溜まっている…

 

足からかけ湯する。

「あちっ! あちっ! あちっ!!」

 

「ちっち〜〜」と言いながら、とぷっと首までつかると…

 

 

わたの湯… 

だれが名づけたのであろうか…

「真綿でくるまれたような…」 言い得て妙である。

入った瞬間の熱さのあとに、なんともたおやかでほっこりとした皮膜が体を包む。

お湯の優しさに、体がとろけるような気がした。

お湯をすくって飲んでみると、もちろんすっぱい草津のお湯の味で、そして喉の奥に、ブドウを皮ごと食べた後のような味がする。

足が痛いのも忘れてしまった。

このお湯に巡りあえてしあわせ〜

 

 

部屋にお茶セットはないが、フロントの前に冷水とお茶のティーバッグが。

 

夕食は6時半から。

足を引きずっているのを宿の人が見たら心配されるだろうから、普通に歩こうとしたんだけど、これがかなり痛くてちょっと歯をくいしばってしまう。

 

誰もいないダイニング。

ご主人が「寂しいですね、テレビでもつけましょうか」

 

「本日のスープはミネストローネです」
あつあつで嬉しい。

 

魚はカラスカレイ。

とくに「おいしー!」と叫ぶようなものではない。

でも日々の仕事を一生懸命やり、お客に居心地よく過ごさせたいと心がけ、
温かいな料理を供し、見た目を工夫し、その心遣いが伝わってくるから、
いいのである。

 

ご飯は古代米入り。プチプチ感がちょうどいい。

グラスの白ワインをお願いしたら、グラスはなくてメルシャンのクオーター瓶があるとのことで、今回メルシャン白ワイン。

 

最近、値段は高いがごわごわのレタスを食べていた私には、みずみずしくて柔らかなレタスは、とっても嬉しかった。

 

豚肉の煮込み。

デミグラスソースかけ。

缶詰のデミグラスソースだったけど、でもいいのである。

本日は料理を目当てに来たのではなく、「わたの湯」に逢いに来たのだ。

豚肉はおいしく柔らかく煮え、野菜も丁寧に添えてある。これで充分である。

 

デザートはクリームブリュレとガトーショコラ。コーヒー。

 

タバコのあと、せっせと足湯である。

もう1箇所のお風呂へ。

階段を上がるときより下りるときのほうが痛む。

うーん、だんだんひどくなってきたかなー

 

蛇口の色。

草津のペンション!

 

こっちのお風呂は小さい。

そして半端じゃない量のかけ流し。

風呂の椅子に座って暫く足をつける。

 

痛みが和らぐ。

このまま寝られたらな〜

 

クリスマスツリーが輝き、火が燃え盛る。

雪のあいだはずーっとクリスマスかも。

 

夜中もおっくうだけど、階段の手すりにつかまりながらそろそろと風呂場に行って足湯。

痛みはどんどんひどくなったが、お湯につかっていると、その都度和らいでいった。

南無さ〜ん、明日腫れてませんように〜

 

朝目が覚めて、あら? もしかして… あまり腫れてない!

痛みも…引いてる?!

けっこう緊張して寝たので、朝のお風呂はさすがにほっとした。

安堵感も伴って、なんとも素敵なお湯であった。

ぜひともまた入りたいお湯である。

 

「適量に抑えると、管が湯の花で詰まってしまうので、あの量じゃないとだめなんです」
ご主人がおっしゃった。

贅沢な、この豊かなかけ流し。

 

「古い小さな風呂ですが…」

とんでもない! 

このお湯に入れた喜び。

おまけに打撲も治ったみたい。

朝ご飯。 なんとも静かなダイニング。

 

 

おいしいレタスのサラダ、ゴマドレッシング。

 

ジャガイモやベーコンの入った、温かなスペイン風オムレツ。

 

地粉の小麦の焼きたてパン。

コーヒーとリンゴジュース。

 

ポットで、群馬の牛乳もどうぞ、と置いてくれたが、とても入らず。

本日は、宿泊客がいるのだろうか。
スキー場から遠いので、ひと昔のようにスキー客が来ないそうだ…

 

朝の玄関前の風景。

9時半に、饅頭屋の「草月」まで奥さんが車で送ってくださった。

「草月」で野菜饅頭40個、お土産袋を整理しながら入れてたら
ギャッ!! 部屋の鍵が〜!!
           出てきたよー!!

足に気をとられて返すのを忘れたのである。

鍵を「草月」のおばちゃんに預けて、あわてて宿に電話。

あ〜 危なく番頭&女将さんの二の舞になるとこだったわっ!

 

ちょっと変な草津であった…

湯治の元を自分で作ってから湯治する…

そしてまた逢いに行きたいお湯であった…

 

あらま!! 脱いじゃってるよ〜

 

 

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