2006年  12月16日(土)・17日(日)泊

長野・湯田中温泉 清風荘

1人泊 @1万650円

http://www1.ocn.ne.jp/~seifuso/index.htm

 

しばらく前からもの思うことあって、日常に流されながらも
ふと気づくと、とりとめもなく考えている自分がいた。
語らねばならぬこともありか。しかし沈黙は金、ということわざもある。

同時にこのところ、長い間消えていた感情、というか欲望
「いいものが見たい。本物が見たい」という思いが
久しぶりに心の中に芽生えていることに気づいた。


「どう生きるか」 ではなく、もはや「どう死んでいくのか」 という年になった。 
つのる思いを、おもむくままにかなえてやってもいいころではなかろうか…

そんな旅である。
 

 

旅の目的地は「小布施」。

そのついでに、湯田中温泉に行って
みよう。

新幹線長野駅を出て、長野電鉄に
乗り換え小布施に向かう。

 

「湯けむり号」ってなんだ?

小田急の特急のお下がりだった〜!

 

小布施駅。

遠くの山並みが美しい。
少々看板だらけで見にくいが。

 

長野電鉄の、古い電車が置いてある。

 

小布施「北斎館」。

北斎の肉筆画を数多く所蔵している。
浮世絵、というコラボレーションの作品ではなく、北斎の肉筆画が見たかった。

 

永年の夢がかない、感動し圧倒されくたびれて、前回母と来た喫茶店でお茶。

地方の美術館によくあるように、あまり観る人間のことを考えていない展示で、
ガラス越し1m先の薄暗い絵を見つめるのはたいへん体力を使う。

が、しかしまぎれもなく本物の筆のあとを、心躍らせながら目を凝らして見つめるとき、その瞬間を幸せに思う。

 

再び長野電鉄に乗り薄暮の中、終点
湯田中に向かう。

 

もうすっかり暮れて、駅に着いた人々はそれぞれ今夜の宿に歩き出す。

私の宿は「清風荘」。

暗い道を2〜3分下っていくと、ぽっかりと明るい玄関が迎えてくれる。

旅の宿に着いた、というなんとも懐かしく嬉しい感情に包まれる。
いままでこんな入り方をしたことがなかったので、とても新鮮だった。
 

 

笑顔のご主人と女将さんが迎えてくれて、入れ替えになるお風呂の説明や
食事の説明などを受けながら、2階の部屋に案内される。

「今年は雪が降らなくって。みなさん、びっくりされます」

小さな遊郭の建物を旅館にしたとのことで、贅沢ではないがそこここに風情がある。
 

 

本日のお部屋。

玄関の真上。6畳洗面付き。

 

 

 


 

 

食事は廊下をはさんで向かい側の部屋に個別に用意される。

気分的には2間使っている感じ。

 

あらかじめ置かれている夕食。

別の部屋では忘年会らしく、乾杯の音頭やお酒の注文の賑やかな声。 仲居さん、大忙しである。

 

 

「女性の1人泊プラン」にサービスで付いている「利き酒セット」。

 

 

 

鯉のから揚げ、甘酢あんかけ。
淡白であっさりしている鯉を、から揚げにして味を加えている。
冷めているがとってもおいしい。

 

臭みのまったくない新鮮な馬刺し、
私でもおいしくいただけた。

 

どーんと牛肉がのっていて少々たじろぐ。
充分な柔らかさ、ほこほこしたポテト。

 

 

 

そうとうおなかいっぱいのときに、
仲居さんが「熱いですからね、すぐ
お食べください」と言って
もってきてくれた鶏のソテー。

 

野沢菜、うま〜い、うま〜い、うま〜い、と連呼していたら
「もう少しもってきましょうかね」
「お願いします!」

口に入れるとヒンヤリ、噛んだときのパリパリ感、独特の旨みがパーッと広がり
なんておいしい漬物!

もう一皿もってきてくれた!
( これって、別注漬物1000円、の
   たぐい? )

ま、いいや〜! みんなおいしいけど、
長野は漬物に限る!

 

ご飯、具沢山のお味噌汁!
おなかパンパンでお部屋に戻る。

宴たけなわ、カラオケなんぞが聞こえる。

 

おお〜!  この、こたつとお布団の理想的な配置!

 

 

こたつに入り、長々と足を伸ばし、先ほど
観た絵の感動再び。

「画狂老人」と自称した人の、90歳の
筆の力を思い出し、温かなこたつの中で
鳥肌立つ。

露天が女性の時間帯になったので、お風呂に。

湯田中のお湯は熱く、たぶん私が一番苦手なお湯である。
どんなに気を遣って入ってもあとで軽い貧血状態になり、1時間ほどは動けない。

なので、誰もいないお風呂ではあるが、首まで浸かってすぐに出ようとしたら背後で人の気配がした。
振り向くと…

若々しいおじいさんがかけ湯をしながらこっちを見て「ども!」

私はゆっくりと、この宿のお風呂は時間によって入れ替わること、このお風呂はいま女性用になっていること、私はあがろうとしていること、を話した。

元気な老人は「了解!」と言って去る。

そのうしろ姿を見ながら、最近驚くということがなくなったなと、しみじみ思った。
 

 

廊下。

 

往時の面影の残る窓。

 

和式と洋式の、2箇所のトイレ。
いつもきちんと掃除されていた。

朝食。 同じ個室で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2階から見下ろした湯小屋。

 

ロビーにある自販機。
ペットボトル150円、缶ビール300円。

 

平安風呂に向かう廊下。

 

細かいタイルが張られた洗面台。

 

こんなタイル張りはもう作れないだろう。

 

平安風呂入り口。

 

ドア。

 

風呂入り口。

ガラス戸を開けると、ふわっとリンゴの香りが。

 

 

 

 

 

お湯はかなり熱く、入ると全身にピリリと刺激が走る。

無色透明で一見さら湯のようであるから、宿ではリンゴやキハダを入れたりしているのだろうが、あきらかにかなり強い温泉で、私は5分と入っていられない。
 

 

気持ちいいが、出てから充分休まないと動けない。
汗が止まらず、いつまでもホカホカして
いる。

散歩。

たくさんの外湯があるが、草津と違って、地元の人と、付近の宿に宿泊した人が
宿から鍵を借りて入る。

 

外湯めぐりなぞ、私にはとてもできそうもない。

昨夜宿の女将さんに近所の外湯を勧められたが、宿の4箇所あるお風呂も全部入れそうもないのだ…

 

だいたいどの宿でも300円ほどの安い料金で、日帰りを受け入れている。

 

若旦那に「ここのお土産はどんなものがありますか?」と尋ねたら
「お味噌と… あとリンゴですね」

どっちも重いね。

そういえば温泉饅頭とか、見当たらないのであった。

 

一巡りして、宿へ戻る。

女将さんに昨夜の露天の珍事を話すと
「まあ!それはそれは!なんということを… 昨夜は忘年会が入っていて… 
いま誰もいませんから、露天にゆっくりお入りください」

というわけで貸切露天。
 

気持ちいいけど。でも5分で退散。

 

 

夕方家族風呂に。
入り口。

 

熱いので水でうめながら。

 

 

 

 

夕食。

今日は野沢菜がいっぱい盛られていた。
嬉しい。

 

本日は、カキ鍋。

 

 

 

 

 

岩魚、このところたくさん食べてるな〜

このあいだは2日間で4本食べたな〜

ふっくらしてておいしい。

 

 

 

最後にワタリガニのお味噌汁とご飯を
いただき、私はいったいどこにいるので
しょ〜か?

ではあったが、おいしけりゃいいのよ〜 どこにいたって。

 

夜半、雪が…

朝起きると、積もっていた。  これぞ湯田中!

 

 

「もうちょっと降れば、雪見の露天だ〜」と、
若旦那が嬉しそうに叫んでいる。

玄関で、降りやんだ空を見やりながらご主人が
「雪の中をね、ゆっくり駅までお歩きになれば。やっと風情が出ましたね」
と見送ってくれた。

「別注・漬物代」などと請求されなかった。

 

 

みんな雪が降るのを待ってたんだね〜。

 

 

 

 

新幹線で朝食代わりのお握りを食べた。

おいしいウリの漬物を、ポリポリしながら。

 

大きなリンゴ2個、お土産にもらった。

 

手拭ももらった。
 

猫に被せてみた。


来し方行く末…

師走であった。