作並温泉 ゆづくしの宿 一の坊

2004年8月22日泊


JRのんびり小町パック 往復新幹線グリーン車込み料金 囲炉裏の温泉倶楽部 
2人泊 @3万8800円

ある日、私の仕事のサブに、大学を出たばかりのお嬢3がつけられた。

年上のやり手のおじさん・おばさんに囲まれて、緊張して必死のまなざし。

あれから10年、仕事に復帰した私に、お嬢3から「手伝って!」のSOS。

この夏の拷問のような猛暑のさなか、連日タクシーで朝帰りしながら「この仕事が終わったら、温泉だよ!温泉! 囲炉裏のお部屋だよ!」
と2人で励ましあった。

ハードな仕事のチーフを立派にこなしている姿を横目で見ながら、よくここまで成長したなと、心中、秘かに嬉しかった。

「まるみさんは私の先生」と今でも言ってくれるから、あと5年もすれば、「あ〜あ、こんなミスばっかして・・・ぼけたわね〜。

でも若いとき世話になったから面倒見なくちゃ」と言いながら、私の仕事の後始末をしてくれる・・・ はず!?
 

 

 

 

上野から2時間強で仙台に。

柿の葉寿司を食べてお茶を飲んでいる間に着いてしまう。

お嬢3「もっとグリーン車に乗っていた〜い」と叫ぶが、私は御免である。

早く宿に行きたい。

 

仙台駅構内、牛タン通りの行列を見学して仙山線快速に乗り換え。

30分弱で作並駅に。

 

快速到着に合わせて、宿のマイクロバスが、、、

バスは満席になって、驚く。

5分で到着。

宿玄関から外方向。

お嬢3「女将は?女将は? どこ? いないの?」

女将の存在が希薄な宿である。

ゆえに「お帰りなさいませ」などど挨拶されて、のけぞることもない。

バスの乗客の3分の2くらいは、日帰り入浴の受付に行ってしまった。

日曜日だしね。

 

宿泊客はプールの見えるロビーでお茶&お菓子&記帳。

 

私のセレクトの基準に大型旅館は入らないのだが、今回の選択は「部屋」。

入りたいお風呂はたくさんあるが、泊まってみたい「部屋」は、唯一この宿のこの「遠い宙(そら)」。



 

 

踏み込みからドア方向

案内してくれた仲居さんも「囲炉裏の温泉倶楽部は全室違う造りですが、私もこのお部屋が一番好きです」。

 

入り口の引き戸を開ける。

ほら、いい感じ!

 

 

 

囲炉裏、ではなく長火鉢の大きいもの。

ちゃんと炭が熾きていて、
           鉄瓶から湯気が、、、

真上には専用の換気扇。

 

広々とした窓。

そう、この景色が望みだった。

 

 

窓の外

背後から「蚊が入るよ!」と怒られるが、かまわずガバッと開ける。

かすかな風は涼しい。

 

ベッドは3台。

低め、クッションほどよく、枕はグッド。

掛け布団はやや重めであるが、許容範囲。

 

寝転がって眺める景色

しみじみと幸せな気分にひたる。

 

電気ポット、日本茶・コーヒー・紅茶、あ〜んどCDラジカセ!

 

その下に冷蔵庫、茶器。

冷蔵庫は空で冷水のポットとトラ豆入りの蕨餅が冷えていた。

 

一度も見なかった小さいテレビ。

そういえば世の中はオリンピックだったわね〜。

 

おしゃれな洗面台。

ドライヤー、アメニティグッズも充実。

 

シャワールーム

 バスタオル2枚。


ゆったりしたトイレ

 

クロゼット内に金庫、浴衣、お風呂用バッグ、スリッパ、たびソックスなど。

1階には色浴衣が無料で貸し出されていた。

頼めば着付けもしてくれる。

 

 

4階

囲炉裏の温泉倶楽部に付属する小さいお風呂。

入り口の鍵を開け、札を下げる。

 

2人入るのは無理。

無色透明、かけ流し。

 

   窓の外は秋の気配。

 

どこに行っても人はいっぱい。

 

お土産コーナー、焼き物、無料のお茶コーナー、ティーラウンジ、お食事どころなど、日帰りでも十分楽しめるような配慮があちこちに。

 

試食のお菓子も、いつでも十分においてあり、この人の多さも、おおらかな環境で許せてしまう。

 

川沿いの露天入り口

スリッパがあふれている。

スリッパ殺菌用のランプがあってほっとした。

 

写真撮るの、私でも無理! 

カメラ向けると誰かしら目が合う。

ロケーションはとてもいい。

真下の川の水は澄んで、秋には紅葉が美しいのではなかろうか。

川に向かって隙間なく女たちの背中が並ぶ。

タオルがあちこちに点在する。背後からは嬌声。

ま、ちょっとした女の楽園。

 

源泉かけ流しであるが、3箇所のうち立ち湯はぬるく、湯口にふれると、温かいお湯と冷たい水が混合されていて、ふうっと塩素のにおい。

ふわふわと舞っているのは湯の花? 

それとも・・・

日帰りの場合、ここに真っ先にくると、洗い場はなく、石鹸も置いていないし・・・ 

今回お風呂メインじゃないからいいんだけど・・・

 

大浴場に行って体を洗う。

循環、一部源泉かけ流しだって。

塩素の香りは十分漂い、プール状態だからこのくらいしっかり入れてくれたほうが、かえって安心。

もちろん写真なんか撮れる状態ではありません。

バスタオルは使い放題。

無料のマッサージチェア2台。

脇にあるアロマエステコーナーで9時半に予約。

部屋に帰って、鉄瓶でコーヒーを淹れて暮れてゆく景色を楽しむ。
 

お食事はかなり遠くまで歩いて
「なべ茶屋」に、、、
 


ホタルイカ、ホタテ、枝豆の自家製豆腐。

 

 

自家栽培の野菜のサラダ。

オリジナルのグレープフルーツの爽やかなドレッシング。

私、「一の蔵」お燗で一合。

お嬢3「大人のレモンスカッシュ」!?

 

クエのカルパッチョ、野菜添え。

 

   かぼちゃの茶碗蒸し。

 

銀鮭網焼きと 里芋茶巾絞り、モロヘイヤかけ

 

名物の大根鍋

大根を、皮むき器で自分で削る。

おいしい大根がメイン。

豚肉入り。

 

スープは豚骨と牛乳入りのあっさりした野菜スープ。

 

最後にご飯&味噌汁か、秋刀魚の押し寿司かを選べる。

野菜がメインのお食事。

私たちには十分な量であった。

 

デザートは桃のプディング。

男性には「いや〜、食った食った〜」という感じのものがないので、ちょっと不満かも。

 

お嬢3「私の夏を返せ〜! 柔らかい肌を返せ〜! パック代、経費でよこせ〜!」

アロマエステ、フェイシャル&デコルテ60分6000円也。

仕事でボロボロのお肌に潤いを。

お部屋に戻ってオイルが浸透するあいだ持参の葡萄を食べながらおしゃべり。

午前1時になったので「鹿の覗き湯」に。

 

やったね!貸切だよ! というわけで1時間半浸かる。

お嬢3「鹿に覗かれた〜い」と言うけど、鹿、覗こうとしたら落下する。

前方急峻な山肌、背後は丸太で圧迫感あり。

 

入り口方向

とりあえず誰もいないのでのびのび。

なぜか仕事の話などしてしまったり。

 

ハーゲンダッツ300円、ジュース、ビール、タバコの自販機などあちこちに。

横になって「歯磨きを・・・」と言いながら眠りに落ちていったお嬢3の寝顔を眺めながら、うらやましく思った。

私にはもう訪れることのない、幸せな眠りの瞬間・・・

 

夜、翌朝貸切風呂を借りることを思いついた。

朝7時半にフロントに電話。

8時から50分1000円。

あまり貸切を借りる人はいないような気がして。

すぐとれた。

 

少し口を開けて爆睡しているお嬢3をおいて、1人でフロントで鍵を借り、入る。

階段を下りて。

 

風呂入り口

ここに来て、やっと温泉に来たような気分になった。

1人で入るのはもったいないようなお風呂である。

リーズナブルな料金設定もたいへんよろしい。



 

 

透明のお湯が輝きながら流れていく。

 

1人でお湯に浸かっているときに感じる、独特の至福感につつまれて。

 

気が付くと、夏の名残を惜しむように、音もなく雨が降っていた。

私の夏も終わったようだ。

 

昨夜と同じ「なべ茶屋」でバイキングの朝食。

時間も9時半までなので、かなり食欲が出てきた。

和食・洋食ランダムに並んでいる。

パンの隣にさつま揚げがあったり。

種類は豊富。

フルーツと、食後のコーヒー、お茶の類がない。

 

1階ロビーで無料のコーヒーサービス。

煙り出し人間は、ちょっと疎外されている。

が、従業員のおじさまが素早くプールサイドに灰皿など設置してくださる。

外、やや寒いんですけど・・・

 

 

お嬢3「のんびり小町」のドリンクサービス券を絶対使う!

と言うので、12時のチェックアウト前にティーラウンジに。

お嬢3「あのお部屋で、今度は2泊しようね〜」

貸切2回借りれば、私も大満足。

 

部屋も食事も各自でセレクトできる。

部屋つきの露天に入りながら、持ち込んだお弁当で1夜を過ごすことも、安い部屋に泊まってゴージャスなお食事をチョイスすることも。

温泉を満喫したければ、安く抑えられた料金で貸切を楽しめる。

大型宿泊施設の花丸見本のような宿であった。

 

 

雨上がりのひんやりした空気の中を、宿の方たちの笑顔に見送られて作並駅に。

お嬢3「女将はどの人? いないの? 女将の見送りなし?」

そんなとここだわってどーする・・・ 

スッキリしててよい。

仙台なんだから、牛タン。

「1.5人前お願いします!」

 

完食!! 立派!! この小さい体でよく入るよね〜

年齢を超えて共に戦い抜いた戦士たちへの、ご褒美のような旅であった。



作並温泉 ゆづくしの宿 一の坊

 

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